朝香酒蔵便り 2009年5月号
あさかさかぐらだより
天津中谷酒造有限公司
天津市東麗経済開発区二緯路
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火入れ
河北は例年5月に入るなり、真夏のような日々が訪れます。今年は30度を少し超える程度で、その後降雨があり、気温も下がって過ごしやすくなりました。これから徐々に夏日が増え、真夏に突入です。河北は梅雨の季節がありませんので、夏は5月下旬から9月上旬の4ヶ月です。
今月、すべての発酵もろみを搾り終えました。酒造りの道具や布の洗浄と片付けの作業が進んでいます。その傍らで、火入れ作業が行われています。
火入れとは、酒を60℃に加熱しタンクに密封する作業のことです。搾られた新酒は、約1ヶ月で澱が下がります。その上澄みを更に濾過してから火入れを始めます。
酒にはアルコールが含まれますので、100℃にせずとも60℃を一定時間保つことで酒を腐らせる乳酸菌など全ての雑菌が死に絶えます。これを低温殺菌と言います。火入れは雑菌を殺すのみならず糖化酵素も死活させ、貯蔵に適した状態にします。この低温殺菌の原理は、著名な生物学者パスツール(1822-1895)が発見するよりも前の江戸時代の日本で、酒造り職人の経験から生み出されたというのですから驚きです。
火入れの道具は、タンクと蛇管と呼ばれる管です。タンクの中に蛇管を設置し、タンクに湯を張り、蒸気を吹き込んで温度を上げます。酒は蛇管を通る間に60度に加熱され、ホースでタンクに送り込まれます。温度が低いと殺菌効果がなく、高いと酒の質が傷みます。温度計をにらみながら吹き込む蒸気量を調節し、或いは流れる酒の速度と量を調節します。
火入れが終わると、そのタンクは密封されます。酒は暗く涼しい酒蔵の中でゆっくりと熟成し、円やかになります。基本的には秋まで熟成させてから出荷されて行くのですが、昨年度醸造の古酒が少なくなったアイテムは、既に新酒をブレンドしながら出荷が始まっています。
夏に向かうこの季節、野菜に力があり旨味も増しています。少し新酒の風味を含んだ冷酒で野菜を味わうのも良いものです。
この号終わり
朝香酒蔵便り 2009年4月号
あさかさかぐらだより
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加热杀菌
河北一带与往年相同,一进入5月份,就使人感觉炎热的夏天已经来临。今年最高气温已达30多度,但其后的降雨使气温回落。但总之今后高温的天数会逐渐增多。河北地区没有梅雨季节,所以5月下旬至9月上旬都是夏天。
目前工厂内发酵与压榨作业已全部结束,在进行酿酒工具、压榨布的清洗与整理工作,也在进行加热杀菌作业。
所谓的加热杀菌即将酒液加热至60度,然后密封于大罐中储存。刚压榨的新酒一般需要1个月左右的沉淀,沉淀后的酒液再进行过滤,然后是加热杀菌。
酒液中含有酒精,所以不必要加热至100度,而是在60度状态下保持一段时间,就能杀灭能导致酒腐败的乳酸菌及全部杂菌,行业内称之为“低温杀菌” 。加热杀菌不仅杀灭杂菌,还可以杀灭糖化酵素,使酒成为适合储存的状态。此“低温杀菌”原理是由著名生物学家巴斯茨鲁(1822-1895)发现的,但江户时代在日本的酿酒艺人已从自身总结的经验出发,实际按此方法操作了,真是令人惊叹!
加热杀菌工作是由“罐与蛇管”的管路来完成的。即在罐中设置蛇管,罐中盛满热水,通过热蒸汽将热水加温至一定的温度,酒在罐中设置的蛇管中通过,这样酒液就加热至60度左右了。如果温度低就起不到杀菌效果,而温度过高则酒液受到伤害。温度控制是通过观测温度计调节蒸汽的供给量或酒液的流量来完成。
加热杀菌后储藏在大罐中密封,酒液在暗、凉的酒窖中慢慢地成熟,变得越来越圆润。基本上酒液成熟后才可以使用。去年酿制酒中的部分品种,已开始与新酒混合使用了。
夏天就要到了,蔬菜越来越受大家的欢迎,请饮用新酒中的生酒,品尝其鲜度吧。
终
作者:中谷正人 李恒岐译
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